今年はオリンピック!外国の方のマナーが悪いのは非常識なのではなく、ただ単に日本のマナーを知らないだけだと思う話
最近は観光地のみならず、近隣のショッピングモールやスーパーでも外国の方をよくお見かけします。
すると、外国の方の行動におや?と感じることが少なくありません。
例えば多くの日本人は、狭い通路を歩いているときに対面から人が来ると、相手が通りやすいように端に寄って歩くか、相手が通り過ぎるまで端で待っていたりします。
日本名物!譲り合いの精神です。
しかし先日、店内の狭い通路でみんなが道を譲り合っているにもかかわらず、ショッピングカートを押して大声でおしゃべりをしながら、堂々と狭い通路の真ん中を歩いている外国人女性二人組がいました。
またある時は、トイレで手を洗おうと蛇口に手を伸ばしたら、突然洗面台に割り込んできて、手を洗ってさっさと去って行った外国の方がいました。
またある時は、スカイツリー駅のホームで夜遅くに大声ではしゃぐ外国人観光客がいました。
もちろん、外国の方全員がマナーが悪いわけではありません。
ですがやはり日本人からしたらう~む!と思われる方がいるのも事実です。
ところで有名な日本のマナーと言えば、
- 譲り合う
- 順番を守る
- 会釈をする
- 公共の場では静かにする
などではないでしょうか。
ですが外国の方にはもちろんこれが通じません。
いえ、通じないというよりも、もはやただ単に日本のマナーを知らないだけなのだと思います。非常識なわけではないと思います。
なぜならこのようなことがあったからです。
ある日私は、近所の薬局で、シャンプーとリンスを手に困惑している外国の方から、たどたどしい日本語で次ように声をかけられました。
「すみません・・・シャンプー・・・どっち・・・買う」
恐らく「シャンプーを買いたいけど、シャンプーはどっちですか?」と伝えたかったのではないでしょうか。
だから私はシャンプーを指さした後で、今後彼が迷うことのないように紙に文字を書いて渡しました。
すると彼はリンスを棚に戻し、シャンプーを片手にすぐさま他のシャンプーの吟味を始めました。そしてその中の1つを手に取ると、そそくさとレジへ向かいました。もちろん、彼からお礼の言葉も会釈も笑顔さえもありませんでした。
私はできた人間ではありません。
どちらかというと短気でダメダメな人間です。
やはり一瞬、彼の行動にムッとしてしまいました。
ですが帰りの車の中で彼の言動を回想しているうちに、ハッと思い直しました。
悪意はないな。
これは生まれ育った文化や社会の多様性によるものなんだな。
例えば日本では映画館では静かに観るのがマナーですが、アメリカではゲラゲラわらったり、感嘆の声を上げたりします。
日本では順番を守ることが大切ですが、人口の多い中国では我先にと前へ進まないと、目的が果たせなくなります。
日本では勧善懲悪の昔話が多いのですが、アラブ系の童話では、盗人だろうが罪人だろうが最後に富を手に入れた人がスーパーヒーローとなります。
このような外国の文化や社会は、人の迷惑にならないように教育されてきた日本人にとっては到底理解できないものですが、理解できない原因は文化や社会の多様性に他なりません。どちらも正しいため、どちらも批判することはできないのだと思います。
また、逆に日本のマナーを外国で実行すると、とんでもないことになるケースもあります。
例えばアメリカで交通事故を起こしたら、謝った方が悪いことになります。
たとえ相手に非があっても、まず自分の非礼を詫びる日本人は、多額の損害賠償金を支払うはめになるでしょう。だって、最初に謝ったのはそっちなんだから、そっちが悪いんでしょ!と言われかねません。
また「愚妻が作った粗末な食事ではございますが、どうぞ我が家にお越しください。」
なんて英語で言おうものなら、
My stupid wife is preparing bad dinner.
Please come to my house.
(バカな妻がまずい夕飯を用意しております。どうぞ私の家へお越し下さい。)
となり、
バカな妻?まずい食事?そんなところへ誰が行くものか!となってしまい、来てくれる人は一人もいないでしょう。だから
場所が変われば常識やマナーも変わるのです。
繰り返しますが、外国の方のマナーが悪いのは非常識なのではなく、ただ単に日本のマナーを知らないだけなのだと思います。
今年は日本でオリンピックが開催されます。
「日本ではこのようにするんですよ。」
もし外国の方のマナーに疑問を感じたら、一人一人が勇気を振り絞ってそのように伝えられたらいいな、と思います。さすれば外国の方にも日本の文化やマナーをより深く理解してもらえ、かつ気持ちよくオリンピックを楽しんでもらえるのではないでしょうか。
ご精読ありがとうございました。