相貌失認が矯正される前、ソボは初めての食材を怖がってあまり食べませんでした。
特に食べなかったのは生野菜や冷めたいもの。
アイスクリームやプリンでさえも気味悪がって食べませんでした。
どうやら、生野菜のショリショリした食感や、アイスクリームの冷たい触感、プリンのブニブニした食感が嫌だったようです。
そのため野菜を、味噌汁・スープ・カレー・シチューなどにたっぷり入れて食べさせていました。
相貌失認の人は、料理の全体像が視覚的に認識できません。
注目した一部分だけが拡大されて見えるため、「視界いっぱいに広がった色と口に入れた時の食感」だけが頼りになります。
ぼやっとした色と触感だけでは、一体何を食べさせられているのか不安になるのです。得体の知れないものを食べるのは誰でも怖いものです。
それは、
毎回、闇鍋を食べさせられているようなものです。
当時は好き嫌いが多いように思えたのですが、今では相貌失認が原因で食べられなかったのだと分かりました。
現在ソボは特殊メガネにより、相貌失認が矯正されております。
矯正後はウソのように、何でも良く食べるようになりました。
食欲も旺盛です。
それは、食材と料理が一致し、そして視覚的に料理全体を認識できるようになったからだと思います。
これはセロリだな、これはカリフラワーだな、と
食材の正体がわかるようになったからです。
今のところ好き嫌いはありません。生野菜もシャクシャク食べます。
今更ですが「視覚」というものは社会生活のみならず、食生活をも左右する大事な器官なんだなと思いました。
相貌失認の方の少しでもご参考になれば幸いです。
ご精読ありがとうございました。
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