相貌失認の人は幼児期に言葉の遅れがみられることがある
相貌失認の人は幼児期に言葉の遅れがみられることがあります。
その原因は、相貌失認の見え方に問題があります。
そもそも人は、視覚情報と言語情報を組み合わせて言葉を覚えるものです。
例えば子供に、実物またはイラストの猫を見せたときに「これは猫だよ」と何度か教えれば、見たものと聞いたものをセットにして覚えます。
ところが相貌失認の人は、人の顔や風景の一部分しか認識できないため、視覚情報と言語情報をセットにしても、すぐには言葉が覚えられない可能性があります。
「あれは猫だよ」と教えたとしても、相貌失認の人が猫の目に注目すれば、猫の目が「猫そのもの」となり、猫の耳に注目すれば猫の耳が「猫そのもの」になります。
そのためいつまでたっても猫の全体像のイメージがつかめないため、「猫の概念」が育ちにくいのです。
相貌失認の人から見た猫
実際にソボは、2歳まであまり言葉を発しませんでした。
「この子言葉遅いなぁ」と心配していたのですが、2歳を過ぎた辺りから堰を切ったようにペラペラとしゃべり始めました。
その理由は恐らく2つあると思います。
当時我が家には大小含めて300冊ほどの児童書や絵本がありました。
子供達とどうやって遊んで良いか分からなかった私は、とにかく様々なジャンルの絵本を手あたり次第、子供たちに読みきかせていました。
相貌失認の人は、2Dや聴覚情報ならば比較的認識・記憶しやすいのです。
また、ソボには5歳上のよくしゃべる長男がおり、この長男がよくソボと遊んでくれていました。そのため、遊びを通じて長男からも日常的に言葉を教わっていたようです。
相貌失認のソボにとって絵本や長男の存在は、最高の遊びと学びになったようです。
ご精読ありがとうございました。