相貌失認の人は自分の顔さえわからない!?
「私って変な顔してるよね?」
相貌失認が矯正される前、ソボはよく自分の顔を鏡で覗いていました。
それも一瞬ではなく、5分以上ずっと眺めているのです。
そして時には自分の写っている写真を眺めながら
「私って、こんな顔してるんだぁ?ピンとこないなぁ。違うような気がする。」
とよく言っていました。
決して自分がブサイクだからと嘆いているわけではありません。
ただ単に「変な顔」「面白い顔」と不思議がっている様子でした。
相貌失認の人は、目や鼻や口といった各パーツは個々に認識できるのですが、それらがすべてくっついている1つの顔としては認識できません。
そのため、個々に認識できる各パーツを頭の中で合成して顔全体を想像するしかないのです。
こちらがソボが想像していた自分の顔です。
「認識したパーツを合成させて想像した自分」と「写真の自分」。
どちらが本当の自分なのかいつも混乱していました。
周囲からは普通の人間に見えるけど、自分と母親だけにはイグアナに見える、という萩尾望都さんの「イグアナの娘」を思い出しました。
なぜそう見えるのかというと、それにはある秘密がありました。
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ソボの場合の秘密は
「相貌失認だったから」
なのですが、相貌失認が矯正されてから見た自分の顔は、このような感じでした。
「あ、私って普通の
人間だったんだ!」
初めての自分の顔を認識した時のソボの感想です。
いや、最初から普通の人間だったよ?
私はそう返事をしました。
おしまいです。
ご精読ありがとうございました。