相貌失認がんばり隊

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戦慄!リビングにひそむ珍生物!

この出来事は、ほんの数秒間の出来事です。

ある冬の日の夕方、買い物から帰宅したときのことです。

リビングの中から何やら「・・・テーッ!・・・テーッ!」という叫び声が聞こえてきたので、私は急いでドアをバッと開け、リビングに飛び込みました。

「どしたっ!大丈夫かっ?」

暗いリビングに一歩足を踏み入れてみると、足元に1メートルほどの黒っぽくてグニョグニョしたナゾの物体がゴロンと横たわっていました。

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ギャッ!

何?いまの?

私は悲鳴を上げて後ずさりをしました。

そしてナゾの物体の正体を確認すべく、すぐさまリビングの明かりを点けて、もう一度足元をよく見てみました。

するとそのナゾの物体は、べそをかきながら私を見上げています。

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べそをいているということは、ナゾの物体は、生き物ということです。

しかしどうしてもわからないことが1つだけありました。

ナゾの「生物」の端っこに、なぜか我が子の顔がくっついているのです。

え?ザムザ??

一体これはどういうことなのでしょうか。

私は完全に混乱していて、思考が停止してしまいました。


何度見てもナゾの生物の顔が、我が子の顔に見えるのです。

べそをかきながら

「タスケテーッ!」と訴えています。

もちろん声まで我が子の声なのです。


・・・あっ!


2秒後、我に返った私は、ナゾの生物の正体が「私のズボンの中に挟まった我が子」だとやっと気がつきました。

しかしなぜそんな状況に陥ったのでしょうか?

普通はありえない状況です。

当時はわけが分からなかったのですが、今ならその原因がハッキリと分かります。

それはわが子が相貌失認だったからなのです。

相貌失認の人は、注目した部分が拡大されて見えます。

恐らく私のズボンの穴の中に入って遊ぼうとしたところ、相貌失認の独特な見え方ゆえに、穴が大きく見えたのでしょう。

それゆえ「この穴の大きさならイケル!」と思って決行したようです。

しかし実際の穴の大きさは、見た目よりずっと小さかったに違いありません。

ズボンの中に無理やり頭と手を突っ込んでみたのはいいのですが、気が付いたときには頭と手が抜けない状態になってしまいました。

そして完全に身動きが取れなくなってしまい、べそをかいて助けを待っていた、というわけです。

私は、タスケテ―ッ!と叫んでいる我が子をすぐ助けなければ!と頭の中では分かってはいたのですが、

まず最初に私の口から深いため息と共に吐き出された言葉は、


「アホか、コイツは。」

でした。

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おしまい。

ご精読ありがとうございました。