「子供に学習習慣をつけさせるには?」保護者からのご質問に対する回答
「子供に学習習慣をつけさせるにはどうしたらよいでしょうか?」
塾に勤務していた頃、毎年保護者の方からこのようなご質問をいただきます。
そこで私は回答します。
「おうちの方(以下、親と書きます)ならばどなたでもよいのですが、お子様のために毎日10分お時間をとることはできますか?」
すると殆どの保護者の方は「10分くらいなら・・」とおっしゃいます。
「ならば簡単です。お子様と一緒に机に座って、楽しい親子の時間を「毎日10分」作ってください。お子様が自然と机に向かえるようになるまで数年間は続けるようにしてください。
(「毎日」とはいえ、無理のない場合に限ります。)
一緒に行う内容は何でも結構です。
お絵かきでも、絵本でも、教材でも、工作でもパズルでも一緒に楽しめることなら何でも結構です。机に座ったら楽しいぞ、という経験をたくさん作ってあげてください。
ただし、これは幼児~小学校3~4年くらいまでに有効な方法です。
また、10分間だけ行うという意味ではなく10分間を目安に、という意味です。
肝心なことは、机時間が終了した後にお子様が「楽しかった・嬉しかった・安心した」というプラスの記憶が残ればOKです。時間の長さはあまり関係ありません。」
「え?それだけでいいのですか?」
「はい。良いのです。」
この時期の子供というものは、自分の意志で何かをするということよりも、親に褒められたり、親と楽しく過ごしたりすることの方が、より幸せを感じます。
親のことが大好きなのです。
この時期に親と楽しく過ごした経験は、一生お子様の心にプラスの感情として残ります。
たとえば、
親と楽しく釣りをした経験があれば、そのお子さんは釣り好きになります。
親と楽しく本を読んだ経験があれば、そのお子さんは本好きになります。
楽しかった経験が、「好き」になります。
学習をするときは必ず机に向かいます。
つまり学習習慣をつけるためには、机の上で何かを楽しく行ったという経験が必要です。
学習習慣のあるお子様は、「机に座って何かをすること」に全く抵抗がありません。(成績の良しあしは別としてですが)
一方、学習習慣がないお子様は、そもそも机に向かうこと自体がキライです。
授業中によそ見をしたり、貧乏ゆすりをしたり、おしゃべりをしたりして、落ち着きがありません。
机に座る習慣がないだけならまだ良いのですが、中には、いつも勉強しなさいと叱られれていたり、食事作法が厳しすぎたりすることによって、机に座ること自体が苦痛になっているお子様もいます。
子供の学習習慣をつけるには、まず楽しく机に座るという習慣から始めてみてはいかがでしょうか?
その延長上で、お子様の学習を温かく見守るという姿勢を継続していけば、高学年以降は自然と机にむかうようになると思います。
ご精読ありがとうございました。