相貌失認がんばり隊

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「練りケシ」は1個でいい

「練りケシ」は1個でいいのです。

 

息子が小学1年生のころ、「練り消しゴム」通称「練りケシ」が大流行しました。

質素で厳格な家庭で育った私は、必要がないものは買いたくなかったため、あえて買いませんでした。

ですが、クラスの殆どが練りケシを持っていて、四六時中ねりねりしています。

「練りケシ買って。」

ある日とうとう息子が困った顔をして、私に申告してきました。

「じゃあ、週末一緒に買いに行こうね。」

自分のお小遣いで買うならいいよ、と私は言いました。

ところが翌々日、学校から帰って来た息子が興奮した顔で言いました。

「すごいんだよ!お母さん!F君ちには練りケシが6個もあるから、3個ぼくにくれるっていうんだけど、今日もらいにいってもいい?」

F君とは、幼稚園のころから親子で仲良くさせて頂いているお友達です。

恐らく、練りケシを持っていない息子の話を聞いたF君のお母さまが、気を利かせてくれたのでしょう。ありがたいことです。


でも・・・・・・。

う~ん、それはちょっとだめかなぁ・・・・・。

とすぐさま私は思いました。

そこで良い機会だと思い、息子にだめな理由を説明しました。

  • 6個の練りケシは、Fくんのお母さんが一生懸命働いて買ったものであること
  • 理由もなく、人からやたらに物をもらってはいけないこと
  • 練りケシ3個で300円もするということ(当時の息子のお小遣いは300円)

そして何より、

「練りケシは1個でいいんだよ。たくさんは要らない。」

と説明しました。

すると息子の表情が、ホッとしたような表情に変わりました。

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「・・・そっかぁ、わかった。本当は、※オラもダメだと思ってた。」
※オラ→クレヨンしんちゃんのマネ

息子はあっさりと納得し、やはり約束通り週末にお母さんと買いに行く!と言いました。

ダメだとうっすら気づいていたようですが、やはり私にきちんと確かめたかったのかな、と思いました。

ですが、その翌日のことです。

学校で突然、練りケシ禁止令が発令されました。

授業中に練りケシで遊ぶ生徒が、あまりにも多いからです。

そしてその日を境に、学校で練りケシで遊ぶ生徒は誰もいなくなりました。

やがて週末になりました。

私は約束通り、息子と一緒にスーパーへ行きました。

息子はそこで、以前から欲しがっていたピカチュウの縫いぐるみ(ラムネ付き300円)を全財産かけて買いました。

本当に自分が欲しかったものが買えて、息子はとても嬉しそうでした。

そのピカチュウは、その日から息子の大親友になりました。

 

やがて何年か経ち、いつの間にかピカチュウは、いなくなりました。

そして息子は成長し、就職のために家を離れました。

その数年後、学習机を処分するために息子に許可を得て、机の引き出しを開けてみました。

するとそこには、ほっぺがとれてボロボロになったピカチュウが横たわっていました。

ここにいたんだ。きっと捨てることができなかったんだなぁ。

そう思うと何だか泣けてきてしまって、息子の部屋でしばし一人でオイオイと泣いてしまいました。

今でもそのピカチュウは、健在です。

今日も主のいないガランとした息子の部屋に、自力でシャキン!と誇らしげに立っています。

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そんなピカチュウを見ていると

 

「オイッ!泣くな!元気出せピカ~」

 

と言われているような気がして、今日も一日がんばろうと思うのでした。

ご精読ありがとうございました。