子供に勤労意欲を持たせるには?
今回は、子供に勤労意欲を持たせるために、私がどのようにして子育てをしてきたのかについて、ご紹介させて頂きたいと思います。
ですが、その前に少しだけ私の子供時代の話についてお付き合い下さるよう、お願い致します。
私が生まれてすぐ、私の両親は祖父母の反対を押し切って家を飛び出しました。
箱入りで病弱な母は、家事をするとき以外は殆ど横たわっているような人でした。
姉を入れて家族4人の生活は、貧乏のどん底にありました。
私の幼稚園の入園式のとき、母は何年も美容院へいっておらず、頭はぼさぼさ。
しかも入園式に着ていく洋服がありません。
「えーい、たった半日のことだ!」
母は恥を忍んで、継ぎはぎのあるパンタロンを履いて行ったそうです。
いよいよ食べるものがなくなったときは、みんなで山へフキノトウやつくしを採りに行きました。
時々買ってもらえる5円のベビースターラーメンが、私には何よりの楽しみでした。
ある日お店で見かけたビン入りのヨーグルトをどうしても食べてみたくて、母に必死でお願いしました。ですが、ヨーグルトは高いし美味しくないという理由で買ってもらえませんでした。(本当は母も食べたことがなかったみたいですが)
どうしてうちにはお金がないんだろう、どうしたらヨーグルトを買ってもらえるのだろう、と子供のころからずっと疑問に思っていました。誰に聞いてもごまかされるばかりで、誰も理由を教えてくれませんでした。
だから私は、もし将来自分の子供が生まれたら、小さいうちからお金についてしっかり教えておこうと決心しました。
私は子供たちに経済力をつけさせるため、お金に対してシビアに子供たちを育てました。
どうしたらお金を得られるのか?その方法はただ1つです。
働くことです。
働けばお金がもらえるし、働かなければお金がもらえない。
実に単純明快なことです。
そして、どうしたらお金がもらえるのか、ということを教えるために、子供が3年生になった頃から
「家で仕事をしたら報酬を与える」という制度を取り入れました。
ですが、仕事といっても、大したことはありません。
子供ができる範囲の仕事です。
報酬額は、最初は10円からスタートし、腕が上がってきたら上限を決めて、徐々に金額を上げていきます。
風呂洗い(1回10~50円)
肩たたき(1回15分100円)
その他状況に応じて(1回10~50円)
新聞入れ(1週間10~50円)※
くつ揃え(1週間10~50円)※
ただし※新聞入れと※靴そろえ以外は毎日ではなく、
私が頼んだ時や、子供からの申告があれば行うようにしていました。
食前・食後にテーブルを拭く、自分の食器を片付けるなどは各自の仕事なので、報酬はナシ。自分の片付けは自分でやるのが基本です。
賛否両論はあるかもしれませんが、やはり人間も、動物なのです。
イルカショーで活躍するイルカと同じく、報酬があると頑張れるのです。
それが動物の本能ってものではないでしょうか。
良い仕事をしたら、より高い報酬がもらえる!
ついでにお客さんにも喜んでもらえる!
という考えは、勤労意欲を掻き立てます。我が家の子供たちは、早くからそのことを知っていました。
そのため、特に人気があった仕事は、肩たたきです。報酬額も高いし、私も喜ぶからです。
ですが、子供が15分肩をたたき続けるのは、結構重労働です。
報酬額の高い仕事は、決して楽な仕事ではないのです。
仕事というものは、決して楽しいことばかりではないのです。
「そんなことしていたら、お金でしか動かない人間になるのでは?」と心配される方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことは全くありません。
我が家では、「具合が悪い時は、みんなで手伝う!」という暗黙のルールがあったため、私の具合が悪い時は無償で手伝ってくれました。
ただし、あまり厳しすぎるのも良くないと思いますので、誕生日などの特別な日には、さほど高額なものでない限り、欲しいものを買ってあげるようにしていました。
その他にも月々のお小遣いを渡していました。
確か低学年300円、中学年500円、高学年800円くらいだったと思います。
それで足りない分は、ガンガン働いて自力でゲットしましょう!
上の子が大学生になると、前期は大学生活に慣れるまで、昼食代として10000円のお小遣いを渡していましたが、
「学費も高いし、もう自分で稼げる年になったんだから、後期からは自分の小遣いは自分で稼がんか~い!」
と宣言したところ、夏休みに入るとすぐさまアルバイトを見つけてきて、卒業するまでの3年半、みっちり働きました。
そしてアルバイト代で得たお金で電子ピアノを買ったり、旅行へ行ったりして、好きなように過ごしていましたね。
下の子も体調が良くなった途端に、お金を貯めるんじゃ~と言って、とっととアルバイトを始めました。結構守銭奴です。(笑)
働いたら報酬がもらえる!
という子供時代の日々の教え。
我が家ではこれが、子供の勤労意欲を高める最善の方法となりました。
ご精読ありがとうございました。