相貌失認がんばり隊

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相貌失認の人は過去に間違った概念をインプットされると軌道修正がむずかしい

相貌失認の人は、誰かに間違った概念をインプットされると、家族がいくら説得しても、軌道修正が利きません。

そのため、ソボ本人も家族も大変ツライ思いをしてきました。

次の項目は、ソボが子供の頃から誰かに言われてずっと思い込んできた概念です。

  • 熱があろうが交通事故に遭おうが、右手(利き手)だけは守って勉強すべきである⇒(解釈:熱やケガを理由に勉強を休むことは許されない)

  • 100点を取らないと人間失格である⇒(解釈:たとえ1番の成績をとっても100点を取らない人は人間失格である)

  • 空腹や疲労や眠気や尿意は気合いが足りないから起きる現象である⇒(解釈:空腹や疲労や眠気や尿意を感じるのは、ダメな人間である)

  • 気合いが足りないから病気になる⇒(解釈:病気になるのは自分がダメな人間だからである)

バカバカしいと思われるかもしれませんが、ソボは本気で信じていました。

そのためソボは、5年生頃から人前で弱音を吐いたり、空腹や疲労や眠気や尿意を訴えることが一切なくなりました。生理現象が起きる自分を激しく嫌悪するようになりました。

また、具合が悪くなってもそれを必死で隠すようになり、インフルエンザにかかっても自分を責めていました。

家族が「少し休んだら?」と言っても、「休んだら人間失格!ダメなやつと思われる!」と言って全く聞き入れてくれず、もはや強迫観念のようでした。

これは見ていて非常に辛かったですね。この頃は、どうしたらソボが普通の感覚を身に着けてくれるのだろうと、相当悩んでいました。

そのようなわけで高校1年まではガシガシと勉強をしていたため、模試ではずっと学年トップの成績をとっていました。(それでも100点ではないので自分を激しく責めていたのですが。)

ですが、やはり強迫観念での学習は長続きしません。その後はみるみる疲れ果てていき、やがて無気力状態になり、みるみる順位は転落していきました。そこで更に落ち込み、自分を責めます。まさに悪循環です。

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(ユミコさんによる写真ACからの写真)

それではなぜ、相貌失認の人はこのように軌道修正が利かないのでしょうか?
その理由は4つ考えられます。それは相貌失認ゆえに、

  • 他者との相対的および客観的比較ができないから

  • 元々人づき合いが希薄なため、人の平均的な行動がわからないから

  • 表情がわからないため、比喩や冗談が理解できず、人の言葉を額面通りに受け止めるから

  • 過激な言葉に対して周囲の反応を伺うことができないから

です。

そのため、家族で何度もソボの既成概念の軌道修正を試みたのですが、10年かけても力及ばず、やむなく第三者や臨床心理士さんのお力をお借りすることに致しました。

やはりソボにとって家族は身近すぎる存在なので、何を言ってもきれいごとを並べているように感じられたようです。(泣)

一方、第三者や臨床心理士さんは、社会的に確立されている存在なので、客観性があるように感じられたようです。それに何と言ってもその道のプロの方のお力は絶大です。親の言うことは信じられなくても、臨床心理士さんのおっしゃることは信じられるようでした。

ある程度大きくなると、親に認められるより第三者に認められる方が嬉しいのは、仕方のないことですね。成長の証です。

そしてカウンセリングやEMDR治療を1年間行った結果、ようやくソボに一般的(と思われる)概念が確立されるようになりました。

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(がらくったさんによる写真ACからの写真)

とはいうものの、現在でもまだ「ハードワークをして、生理現象が起きる自分を責める傾向」が少しだけ残っています。ですがそのようなときでも、家族の助言を素直に受け入れられるようになりました。

「病気や生理現象は仕方のないことであって自分に責任はない、常に何事も100点を取る必要はない」という当たり前の概念が、ようやく定着してきました。自分でも意識して気を付けるようになりました。

はぁ~、ここまで本当に長かったです。
10年ほど悶々としておりましたが、もっと早く専門家の方に相談すれば良かったと思います。

また、親が「専門家に相談する」という姿勢を示すことで「自分でどうしても解決できないときは、人に助けを求めても良い」という概念も教えることができます。

本当にこちらのブログでは何度も申し上げておりますが、家族だけでは解決できないと思ったときは、早め早めに専門家に相談されることをオススメ致します。その方が家族も当事者も早く楽になれると思います。

ご精読ありがとうございました。