どこまで走ればいいの?相貌失認の徒競走②
運動会の徒競走では、ゴール位置にテープが張られます。
みなさんはそのテープを切ったことがありますか?
残念ながら鈍足の私はただの一度もありません。
そうなのです。ゴールテープを切ることができる人はただ一人!
1番走者だけなのです。2番以降の走者は、テープ無しでゾロゾロとゴールする運命なのです。
ゴール付近には常にごちゃごちゃと人がいます。走者と、走者に順位を伝える係りの人達です。
相貌失認でない人は、ゴールテープがなくても、ゴールの位置がわかります。
ゴールに到着するや否や、走ることをパッと止めますが、ソボは違います。
ゴールを過ぎてもずっと走り続けます。ゴール係の人が自分を捕まえてくれるまでずっと、走り続けます。
なぜなら相貌失認のソボは、風景の一部しか認識することができないし、距離感もつかめないからです。
そのためテープがないと、ゴールの位置がわかりません。(いつもビリですし)
そのようなわけで小中学生の頃は、徒競走のルールが、全く分かっていませんでした。
ソボは、「徒競走はゴールまで速く走った人が勝ち」ということはわかっていたようですが、「ゴール係りの人が自分を捕まえてくれるまで走りつづける競技」だと、ずっと勘違いをしていました。
徒競走をするたびに、ゴール係りの人、早く捕まえてくれないかなぁ、とずっと思っていたようです。
ですが、そんなソボの思惑とは裏腹に、一番苦労していた人がいます。
それは、ソボのゴール係の人です。
ビリで到着したにもかかわらず、ゴールを過ぎてもなお減速せずに、走り続けるソボを追いかけるのは、さぞかし大変だったことでしょうね。
人というものは、知らず知らずのうちに、誰かのお世話になっているものなのですね。
今となってはどこのどなたか存じませんが、ソボのゴール係の人よ。
ありがとう、そしてごめんなさい、お疲れ様でした、と過去に遡って伝えたい。
ムリですけどね。笑
ご精読ありがとうございました。