相貌失認が原因の複雑性PTSDからの解離性障害
ソボは相貌失認が原因で、複雑性PTSDの症状の1つである「解離性障害」を発症したことがあります。
まず、複雑性PTSDとは、一定期間、あるいは長期に渡る心的外傷体験により、様々な辛い症状が持続する状態のことを言います。いじめ・虐待・家庭不和・その他の強いストレスから発症します。
複雑性ストレスを発症した場合は、生活にかなり支障が出てしまうため、早期に治療する必要があります。
ソボが複雑性PTSDを発症した原因につきましては、以下の過去記事をご覧ください。
複雑性PTSDには様々な症状がありますが、その中でも大変厄介なのが「解離性障害」です。
ソボは10年近く「解離性障害」を発症していたために、複雑性PTSDの発見が遅れてしまいました。そしてその間悪化を招き、治療も大幅に遅れてしまいました。
それではなぜこの「解離性障害」が大変厄介で発見が遅れてしまうのか「解離性障害」の症状をご紹介させて頂ければご理解頂けることと思います。
解離性障害の症状
解離性健忘
ストレスを感じた時の辛い経験の記憶が、ごっそり抜け落ちる症状です。そのため、自分に何が起こったのか覚えていません。
離人症
自分が自分でないような感じになる症状です。そのため自分に起こったことでも、他人事のように感じられます。
解離性遁走(とんそう)
記憶がないまま、違う場所へ移動している症状です。気が付いたら線路沿いを歩いていた、ということがありました。
感情麻痺
感情が麻痺して、悲しくても辛くても感情に現れなくなります。傍からみると何も問題なく過ごしているように見えます。
フラッシュバック
辛い記憶が突然、臨場感を伴って思い出されます。匂いや感触も再現されます。ひどくなると1日に何度も起こり、日常生活に支障をきたします。
(June11さんによる写真ACからの写真)
まとめ
解離性障害の主な症状は以下の5つになります。
- 解離性健忘
- 離人症
- 解離性遁走
- 感情麻痺
- フラッシュバック
つまり解離性障害になると、辛い記憶がごっそり抜け落ちたり、他人事のように感じられたりするために、辛くても人に訴えかけることができません。
自分がなぜ辛いのか、何が起こったのか、自分でさえ理由がわからないのです。
傍から見て辛そうな様子のときもあるので、そんなときは理由を聞いてみるのですが、当事者は「わからない」というばかりでラチがあきません。
また当事者の感情が麻痺しているために、周囲からは「淡々としている」或いは「全く気にしていない」ように見えます。
これが複雑性PTSDの発見が遅れる原因になります。そのためどんどん悪化していき、やがて日常生活が送れなくなります。
ソボの解離性障害の症状は以上の5つでしたが、人によっては次の症状も発症します。
- 解離性同一性障害(いわゆる多重人格障害です。一人の人間の中に複数の人格が存在する障害です。)
幸いソボは解離性同一性障害を発症しませんでしたが、もう少し発見が遅れていたら、発症していた可能性は否めません。良い心理士さんと医師との出会いのおかげで複雑性PTSDと解離性障害の発見に至り、非常に助かりました。
ごっそり抜け落ちた辛い記憶を取り戻すということは、当事者にとって大変苦痛だったようですが、そのおかげで現在があります。時間をかけて治療を施して下さった心理士さんには、本当に感謝しかありません。
複雑性PTSDを発見するのは難しいですが、早め早めの治療が大切です。当事者は記憶が抜け落ちている場合がありますので、周囲の人が気づいてあげるしかありません。何か思い当たる節があったら家族だけで悩んでいないで、専門家に相談するのが良いと思います。
複雑性PTSDの治療法につきましては、以下の過去記事をご参考ください。(人により治療方法は異なりますが、少しでもご参考になれば幸いです。)
ご精読ありがとうございました。