相貌失認が原因で引き起こされた複雑性PTSDの治療方法
今回は、相貌失認が原因で引き起こされた複雑性PTSDの治療について、ご紹介させて頂きます。
相貌失認の人は、さまざまなことが原因で、ストレスが多い生活を送っています。
そのため複雑性PTSDを発症してしまう可能性があります。
相貌失認のソボもそのうちの一人です。複雑性PTSDにより、年を追うごとに症状が悪化していき、10年近く日常生活にさまざまな支障が出てしまいました。
ソボの複雑性PTSDの症状は以下の通りです。
- ネガティブ思考
- フラッシュバック
- 不眠
- 不登校
- (テレビや外出先で)怒鳴り声を聞くとすくむ・涙が流れる
- 制服を着ている学生を避ける
- 聴覚過敏/常にピリピリ
- 解離性障害
- 何も手に着かない
- 好きだったことをしなくなる
- 公共の場を避ける
- 食欲不振・味がわからない
- 何となく体調が悪い
そして20歳のときにようやく「複雑性PTSD」と診断され、治療がスタートしました。治療というのは、心理的な治療のことです。
前置きが長くなりましたね。
それでは早速、心理的治療について、ご紹介させて頂きたいと思います。
治療にはEMDRという方法が行われました。EMDRについては、後に再び登場してきますので、その時にご説明させて頂きたいと思います。
1.初期段階
心理検査
臨床心理士さん立ち合いの元、さまざまな心理検査が行われます。その結果とカウンセリングの内容を総合的に考え、今後の治療方針を決めて頂きます。ただし、患者の様子を見ながら治療が行われるので、途中で治療方針が変更になる場合もあります。
呼吸法
呼吸が浅いと不安を感じやすいだけではなく、様々な心身の不調が出ます。そのため最初に「呼吸法」を習います。
ストレスのコントロール方法
不安や怒りを感じたときに次の方法でコントロールする方法を習います。
- ツボ療法
- 言葉療法
- イメージ療法
2.中期段階
月に1~2回で、カウンセリングを行います。ソボの場合はここに5か月ほどかかりました。ここでEMDRの前準備をしっかりと行います。
3.後期段階
EMDR
月に1~2回ほど半年かけて行われました。
EMDRとは、治療者と対話をしながら目を左右に動かすという、特殊な治療法です。トラウマ体験の症状を和らげる効果があります。
EMDRはPTSDの治療として注目されていますが、治療を受けられる機関は、それほど多くありません。私は「EMDR治療者リスト」から探しました。
その他のカウンセリング
名前は不明ですが、最新方式のカウンセリングが行われました。
(ラッキーエースさんによる写真ACからの写真)
注意すること
- カウンセリングやEMDRを行う場合は、必ず治療者の指示に従うようにしてください。
- 心理的治療効果には個人差があります。あらかじめご了承ください。
- 治療をしたからといって、完全にトラウマが消えるわけではありません。
- 治療をしたからといって、すぐにトラウマが和らぐわけではありません。
(ソボの場合は、上記の治療に1年、その後日常生活ができるまでに半年、合計で約1年半程度かかりました。人によって異なります。)
ご紹介内容は以上です。少しでもPTSDの方の回復のご参考になれば幸いです。
ご精読ありがとうございました。